60歳以上の高齢者を対象にして居住地の環境や建物の構造、健康不安などで自宅での生活が難しい方などが入居できるように制度化された住宅です。所管は厚労省と国土交通省にまたがります。
以前からあった高齢者向け優良賃貸住宅制度と異なり、建物と運営基準を明確にしています。建物の造作や設備、提供されるサービスで入居費用が施設ごとに異なります。
平成27年にほとんどの住宅は地域密着型となり基本的に入居は住民票所在地の方を対象が対象になりました。
ほかの地域から入居の場合には居住地特例制度を利用することになります。
建物の基準と入居の方に対するサービスは次の内容を満たさなければなりません。
各部屋に台所、水洗トイレ、収納設備、洗面設備、浴室を備えること(但し、共用部分に共同して利用するための適切な台所、収納設備または浴室をそなえて個室と同様に環境が整備されていたら、各部屋に台所、収納設備、浴室がなくても可。つまり下宿タイプも可能)
《入居者の条件》
60歳以上の方または要介護・要支援認定を受けている方及びその同居者
(配偶者・60歳以上の親族または要介護・要支援認定を受けている親族)
名 称 | 家 賃 |
管理費・生活支援費 (施設ごとに設定) |
入居一時金 | 食 費 |
---|---|---|---|---|
費 用 月 額 |
3万円台~6万円超 |
管理費5千円台~4万円超 生活支援費2万円~4万円 |
賃貸契約のため敷金が 2ヵ月~3か月 |
4万円台から6万円超(キッチン付の場合は自炊で費用減) 部屋食、食堂、レストラン形式等あります |
内 容 |
室内広さ25㎡以上 但し共用設備等があれば18㎡も可 |
管理費の中に健康管理費含む場合も有ます | 退去時に原状復帰費用を差引いて戻ります |
キッチン付は食事の有無選択できます。配達弁当の利用もできます 日割り・月決めの食費を設定 |
留意点 |
居室内に 洗面台・トイレ・浴室・洗濯機置場・キッチンなどが設置してあるか 共用設備となっているか等 |
管理費の中に電気水道料、光熱費などを含む施設もあります 生活支援費は内容の確認が必要です |
不動産会社の仲介がある場合斡旋手数料として1か月分必要です | キッチン付きはミニとフルサイズがあります。自炊可能でも食事の心配がないのが施設入居のメリットですから割り切りが必要です。 |
上記以外に、
鹿児島市内では工事未着手の施設を含め38件(2016年5月)の住宅があります。入居契約は賃貸契約になります。
サービス付というのは外部との取次や生活相談、緊急時の連絡、安全確認などの日常生活の支援サービスのことです。施設ごとに費用と中身が異なります。
他に管理費や自宅と同様に光熱費も掛かりますので入居の際には、安心と安全を得るための必要な費用であることを十分に考える必要があります。
介護保険を使った介護サービスを利用するためには、居宅介護支援事業所と契約をする必要があります。
部屋の広さや設備などの基準はありますが例外が設けられているために内容は建物ごとに差があります。これが家賃や管理費の違いになります。
このことがサービス付高齢者向け住宅を選ぶ際の難しさの一つになっています。
基本的には普段の生活能力(ADLと言います)プラス予算、通院の利便性で施設を選ぶことになります。
室内にキッチン・トイレ・風呂の有無や病院、居宅介護サービスの併設、買い物・交通の利便性などチェックポイントがあります。
かかりつけ病院との連携及び介護サービスを受けている方はケアマネージャーとの連携の確認も必要です。
施設によっては病院、ケアマネの変更を余儀なくされるケースがあります。
夜間は緊急コールのみで職員不在になる住宅もあります。ご本人及びご家族が住居の見学と確認を行ってください。2014年から2015年にかけて新規オープンが予定されています。
自立生活がある程度できる方を対象としていますが重度の介護まで対応(別料金)できる体制の住宅はサービス費や介護費用がかさむ場合もあります。また外部の訪問ヘルパー、介護サービスの利用も検討する必要があります。
有料で体験宿泊が可能な住居もあります。
契約は一般の賃貸住宅契約と同じです。敷金の有無、一時金の有無の確認が必要です。また1年以内の退去解約は違約金が発生することがあります。
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